平安京創建以来、千年の都としての長い歴史と文化を伝える街、京都。この街に根付いた、世界に誇り得る雅やかな伝統工芸の文化は、上辺の華やかさだけでなく、卓越した確かな技術に裏打ちされつつ培われて来たものです。裏を返せば、私ども職人達にとっての古都京都は、非常に厳しい環境の街であるとも言えるでしょう。鳥羽屋はその京都上京にあって、嘉永2年(1849年)創業以来150年のあいだ、邦楽器絃の製造販売業一筋に歩んで参りました。そして、昨今、特に数少ない邦楽器絃専門の製造販売業にありながら、私どもはそれに甘んじることなく日々研究を重ね、従来の製品はもとより、伝統の技を守りつつ時代の要求する製品開発にも尽力いたしております。
伝統工芸品といわれる鳥羽屋の絃。その絃に撚り込まれた私どもの誇りや、数々の思い。それらが、奏でられる音色から解き放たれた時、現代社会を生きておられる皆様の、心の琴線にふれることになれば幸いです。
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